株・FXのはじめかた

「日銀買い」だけじゃない!明日にも始めたくなるETFのハナシ

「日銀は●日の東京株式市場で、従来型のETFを●億円買い入れた」
経済ニュースでは、毎日このような報道が出てきます。

けれどもこの「ETF」とは何の略で、どのような投資商品でしょうか?

2017年に東京証券取引所が実施したインターネット調査によると、ETFという言葉の認知率はわずかに26%。
投資信託の77%、個人向け国債の73%に比べると、圧倒的にマイナーな存在です。

私も以前、単純に「横文字で難しそう」というイメージだけでETFのことを食わず嫌いしていましたが、実は投資ビギナーにも向いている投資商品です。
そこで今回は、意外に知らないETFの世界をのぞいてみたいと思います。

ETFとは

ETFは「Exchange Traded Fund」の略です。

日本語にすれば「上場投資信託」。
そう、投資信託の発展型のような投資商品です。

主な仕組みは基本的に、一般的な投資信託と同じ。
投資家は「日経225連動型」や「先進国株」といったジャンルが設定されたファンドに資金を預け、実際の銘柄の売買はプロにお任せするというものです。

投資では一般的に分散投資が勧められていますが、複数の会社の株を買うには企業分析が大変で、資金もある程度必要になります。
その点、投資信託は少額で複数の企業に投資できることが大きなメリットですが、取引の自由度には課題があります。

じゃあ、投資信託を証券取引所に上場しちゃえば?ということで生まれたのがETFです。

もっと言うと「株などの“パックセット”を市場で売買できるようにしたもの」となるでしょうか。

ETFは金融業界における「20世紀最大の発明」とも呼ばれるほどの画期的商品。
その歴史は約30年と若いですが、特に米国では金融商品の中心的存在の一角を占めるまでに急成長を遂げています。

ETFのメリット・デメリット

ETFの特徴

ETFのメリットはスライドの通り、投資信託と株式投資の“良いとこ取り”をした点です。
投資信託が持つ「少額からの分散投資」「プロが運用」といったメリットはそのまま、短期・中期トレードでも利益を狙えるような株式投資の性格が加えられています。

もちろん、分配金で利益が期待できる点や、NISA枠で取引できるといった共通のメリットは損なわれていません。
投資信託に比べて低コストで投資できる点も特徴です。

ETFにも当然ながらデメリットは存在していますが、銘柄によっては取引量が少なく思うような金額で売買できないケースがある分配金を自動的に再投資に回せないといったもので、個人的には致命的なデメリットではないと感じています。



ETFの種類

ETFは大きく以下の4つのカテゴリーに分けられます。

株式

ETFの中で最もポピュラーなカテゴリーは株式を対象とした商品で、特に日経平均などの株価指数に連動するタイプが人気を博しています。

株式を対象としたETFのバリエーションは豊富で、国内外の株価指数の他にも特定の業種を対象としたものや、配当の高い銘柄にフォーカスしたものまで多種多彩です。

さらには、対象となる株価指数の2倍・3倍と価格が変動するタイプの「レバレッジ型」や、相場の下落で利益が得られる「インバース型」といった短期投資向けのETFも多く上場されています。

コモディティ(商品)

金やプラチナ、原油といった、先物取引で扱われる商品相場に連動するタイプのETFです。

コモディティは実物資産なので分配金が発生することはありませんが、一般的には株とは連動しない値動きが特徴のため、例えば指数連動タイプのETFのリスクヘッジとして持っておくといった「さらなる分散投資」を目指したい場合に有力な選択肢になります。

債券

国内・国外債権や社債で運用するETFです。
債権は安定的な利子が期待できる投資ジャンルのため、分配金メインでのETFの運用を考えている人にオススメの商品です。

リスク志向の投資家には、新興国債券やハイイールド債といった利回りの大きい商品が好まれています。

REIT(不動産)

投資家から集めた資金を不動産で運用する投資信託がREITです。

ETFでは個々のREITではなく「REIT指数」への連動を目指した商品を売買できるため、REITの銘柄選定が難しい場合や、不動産全体に投資したい場合、株式よりも高い利回りの分配金を得たい場合の選択肢になります。

リスク・リターンはどんな感じ?

ETFで扱われている商品の幅広さはお分かりいただけたかと思いますが、それが実際にどの程度の利益・損失を生むかは分かりにくいかもしれません。

そこで参考として、各ジャンルの国内ETFのうち、一ケタ万円前半レベルの投資をした場合の年初来高値・安値の幅をスライドにしてみました(2020年11月8日現在。銘柄選定はランダムです)。

ETFの年初来高値・安値

値幅に関しては今年がコロナ相場だったことを考慮する必要はありますが、ETFは投資の妙味がある商品かどうかや、自分にあったETFのジャンルなどをイメージしていただければと思います。

おわりに

今回は、ETFの特徴や商品の種類について解説しました。

ETFは証券口座があればすぐに取引が始められますし、株よりも分かりやすい商品といっても過言ではありません。

もちろん、下記のエントリーで紹介した証券会社でもETFの売買は可能です。

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投資デビューを考えている人や、投資に新しい選択肢がほしい人は「いつも日銀が買ってるモノ」にしておかず、ぜひETFに注目してみてください。
証券会社のHPで銘柄の説明を見ているだけでもソコソコ楽しめると思います。